ラネット様
左から豊山室長、当社、飯塚・横井
——はじめに、今回の本社移転の背景について教えてください
事業規模が拡大していること、事業環境の変化への対応のためです。16年間いた旧オフィスのオーナー様にはとても感謝申し上げていますが、どうしても難しくなっていました。
私たちは、縦横共にコミュニケーションを用いて業務を遂行している部署が多く、営業現場ではスピードを重視して業務に取り組んでいます。そういった部分での課題解決として本社移転を選択しました。
執務スペースの風景
——新オフィスではいかがですか
多くの機能がワンフロアに集約されたことで、非常にスムーズさを感じています。他部署との連携を含め、すぐに話し合いができる距離感に変わり、話し合い、物事を決定するためのタッチダウンスペースが一定数確保されています。決定された内容が、本社からの指示として全国の支店にスムーズに発信されていくようになりました。
——本社移転は、いつ頃からお考えでしたか
移転を考え始めたのは7~8年前と聴いていますが、すぐにという感じでもなく、やりたいことが実現できるオフィスを長らく求めていたと聴いています。空室情報は定期的に集めていたものの、本社移転に踏み切る社内提案が承認されてこなかったようです。
——今回の意思決定の決め手は何でしたか
当社はビックカメラグループの一員ですので、グループ間連携をはかる上でも池袋駅を中心に検討していました。池袋のオフィスビルの中でハレザタワーは、池袋の新しいランドマークとして竣工当初から私たちも注目しており、一種の憧れのようなものがありました。
今回もいくつかの物件を並べて検討しましたが、やはりその魅力が際立っていました。2020年竣工と新しく、敷地内の3棟の建築と中池袋公園、区道が一体となった近代的なデザインに、共用部や個別空調など充実した設備、天井高(2,900mm)が高いことなどが主な決め手になったように思います。
イベントスペース奥には、社内の皆さま自筆の目標を掲示
——新オフィスに対する従業員の皆さんのご反応はいかがでしたか
従業員からの声はポジティブなものばかりでした。開所初日、1時間後にはスムーズに通常業務に入れましたし、機能面でまったく不足はなかったと思います。当社の代表からは、『大規模な移転は必ず何か問題が発生するから、目を光らせてほしい』と言われていたのですが、実際には何も起こりませんでした。
ビックカメラ 豆知識 ~ビッグでなく「ビック」~
「Bic」はバリ島のスラング(俗語)です。「大きい(Big)」の意味を持つ一方、ただ大きいだけでなく中身を伴った大きさ、という意味もあります。「限りなく大きく、限りなく重く、限りなく広く、限りなく純粋に。ただの大きな石ではなく、小さくても光輝くダイヤモンドのような企業になりたい」という希望をこめて、「ビックカメラ」と命名しました
(ビックカメラ IR資料より)
ハレザタワー外観
——御社にとって、本社オフィスはどのような存在ですか
まさに本拠地であり、指揮命令系統の中枢です。営業部門の決裁者、管理部門も大多数が本社にいます。
本社は、従業員にとって象徴的な存在です。役職者が揃っていますし、『あの場所でいろんな物事が決定されているんだ』という畏敬の念のようなものがある場所です。店舗業務に従事している従業員のほとんどが、いつかは働きたい場所だと思っていると思います。
——豊山さんも店舗業務に従事されていたと聴いています
私は、関西の店舗スタッフからスタートして、店長、エリアマネージャ、大阪オフィスでの勤務を経て、数年前に本社で現在の職務に就いています。
——店舗から本社を見る景色をよくご存じのかたがプロジェクトを仕切られたのも、今回の大きな成功要因かもしれませんね
そういった部分もあるかもしれませんね。営業部門では、お客様が携帯電話を1台ご購入頂いた際の私共の利益や、その大変さがよく分かっています。今回の本社移転において、備品購入時に価格の検討をする際にも重要な判断材料になっていたように思います。
開放感を感じるリフレッシュスペース
——当初、めざされたオフィス像をおしえてください
いくつかのキーワードがありました。例えば、
・社員が「ワクワク」出来る空間
・営業部門の時間をロスしない
・採用面で、若い層に訴求できる
・華美過ぎないが魅力的、上品さ
・つつましさ
こういったものです。「オフィスは売上を生まない」とお考えの営業会社は少なくないと思いますが、私たちは少し違います。あらゆる面で妥協せずにこだわっていきました。平面図だけで50案以上をご提示いただいたのでは。とにかく話し合いを重ねて実現しました。
新オフィスの壁面に描かれたラネット社のビジョン
——今回の本社オフィス移転プロジェクトには、私たちFRSがPM(プロジェクトマネジメント)として伴走させていただきました。率直なご感想をお聴かせください
これほど大規模なオフィス移転は初めての経験でしたから、分からないことばかりでした。皆さんにこちら側に立って一緒に推進していただいて、本当に感謝しています。
——ありがとうございます。デザイン・施工についてはコンペを実施されました。フロンティアコンサルティング社を選ばれたのはなぜでしょうか
私たちの希望との合致率がもっとも高かったからです。私たちは今回の移転においては「過不足がない」ことを大切にしていましたが、その過不足が各部署によって要件が違ってきます。そういった事情を酌んで具現化いただいたのがフロンティアコンサルティングさんでした。
——デザイン面でチャレンジしたことは
旧オフィスでは、あまり色を多く使わないシンプルな環境でしたが、今回は派手にならない程度に色を入れたのは大きなチャレンジでした。結果、気分に高揚感を持たせてくれますし、採用時に視覚的に訴求できる点で良かったと思っています。
色彩を多めに取り入れたイベントスペース
来訪者のくつろぎを考慮しデザインされた面談室
——オフィスづくりの過程で、トラブルや、想定外の出来事はありましたか
大小あったかもしれませんが、実現できなかったことは思い付きません。
強いてあげると、終盤に音漏れ問題が残りました。旧オフィスでは隣接する会議室同士の音漏れが課題となっていたので、今回の移転に際して社内から要望されていましたが、スライディングウォールを導入した会議室での音漏れが予想よりも気になりました。
スライディングウォールを採用した会議室
一度は『このままではオフィスを予定どおりオープンできません』と貴社にもお伝えし、改善のお願いをしましたが、速やかに対応していただいたことで、無事に解消することができて安心しています。
——今後のオフィスの課題は何かありますか
現時点の課題は解決できていると思っています。いまあるリソースで、これからの変化にどのように対応できるのかが今後の課題になってくると思います。皆さんの力をお借りしながら解決して乗り越えていきたいと思っています
——ありがとうございました。これからもどうぞよろしくお願いいたします
大河内ビルのオーナー様からのご移転祝い
壁面のワークスタイルの5原則