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最適解を追求し続けた
フロア集約にかけた想い

ラネット様

株式会社ラネット 様

事業内容:
モバイル事業、MVNO事業、ソリューション事業など
概  要:
本社移転プロジェクト
面  積:
922.4坪
期  間:
約 12か月
FRSプロジェクトメンバー

・プロジェクトマネージャー:横井
・プロジェクトリーダー  :飯塚
2002年創業以来、モバイル通信事業を中核に成長し続けるラネット様。事業規模の拡大と、近年の事業環境の変化に対応し、採用力の向上を掲げ計画された重要な本社移転プロジェクトに伴走させていただきました。

今回は、本プロジェクトを牽引された、人事総務本部/店舗開発室の豊山室長にお話をお聴きしました。

プロジェクトの背景

左から豊山室長、当社、飯塚・横井

——はじめに、今回の本社移転の背景について教えてください

事業規模が拡大していること、事業環境の変化への対応のためです。16年間いた旧オフィスのオーナー様にはとても感謝申し上げていますが、どうしても難しくなっていました。

私たちは、縦横共にコミュニケーションを用いて業務を遂行している部署が多く、営業現場ではスピードを重視して業務に取り組んでいます。そういった部分での課題解決として本社移転を選択しました。

執務スペースの風景

——新オフィスではいかがですか

多くの機能がワンフロアに集約されたことで、非常にスムーズさを感じています。他部署との連携を含め、すぐに話し合いができる距離感に変わり、話し合い、物事を決定するためのタッチダウンスペースが一定数確保されています。決定された内容が、本社からの指示として全国の支店にスムーズに発信されていくようになりました。

——本社移転は、いつ頃からお考えでしたか

移転を考え始めたのは7~8年前と聴いていますが、すぐにという感じでもなく、やりたいことが実現できるオフィスを長らく求めていたと聴いています。空室情報は定期的に集めていたものの、本社移転に踏み切る社内提案が承認されてこなかったようです。

——今回の意思決定の決め手は何でしたか

当社はビックカメラグループの一員ですので、グループ間連携をはかる上でも池袋駅を中心に検討していました。池袋のオフィスビルの中でハレザタワーは、池袋の新しいランドマークとして竣工当初から私たちも注目しており、一種の憧れのようなものがありました。

今回もいくつかの物件を並べて検討しましたが、やはりその魅力が際立っていました。2020年竣工と新しく、敷地内の3棟の建築と中池袋公園、区道が一体となった近代的なデザインに、共用部や個別空調など充実した設備、天井高(2,900mm)が高いことなどが主な決め手になったように思います。

イベントスペース奥には、社内の皆さま自筆の目標を掲示

——新オフィスに対する従業員の皆さんのご反応はいかがでしたか

従業員からの声はポジティブなものばかりでした。開所初日、1時間後にはスムーズに通常業務に入れましたし、機能面でまったく不足はなかったと思います。当社の代表からは、『大規模な移転は必ず何か問題が発生するから、目を光らせてほしい』と言われていたのですが、実際には何も起こりませんでした。

ビックカメラ 豆知識 ~ビッグでなく「ビッ」~ 「Bic」はバリ島のスラング(俗語)です。「大きい(Big)」の意味を持つ一方、ただ大きいだけでなく中身を伴った大きさ、という意味もあります。「限りなく大きく、限りなく重く、限りなく広く、限りなく純粋に。ただの大きな石ではなく、小さくても光輝くダイヤモンドのような企業になりたい」という希望をこめて、「ビックカメラ」と命名しました
(ビックカメラ IR資料より)

指揮命令系統の中枢としての本社

ハレザタワー外観

——御社にとって、本社オフィスはどのような存在ですか

まさに本拠地であり、指揮命令系統の中枢です。営業部門の決裁者、管理部門も大多数が本社にいます。

本社は、従業員にとって象徴的な存在です。役職者が揃っていますし、『あの場所でいろんな物事が決定されているんだ』という畏敬の念のようなものがある場所です。店舗業務に従事している従業員のほとんどが、いつかは働きたい場所だと思っていると思います。

——豊山さんも店舗業務に従事されていたと聴いています

私は、関西の店舗スタッフからスタートして、店長、エリアマネージャ、大阪オフィスでの勤務を経て、数年前に本社で現在の職務に就いています。

——店舗から本社を見る景色をよくご存じのかたがプロジェクトを仕切られたのも、今回の大きな成功要因かもしれませんね

そういった部分もあるかもしれませんね。営業部門では、お客様が携帯電話を1台ご購入頂いた際の私共の利益や、その大変さがよく分かっています。今回の本社移転において、備品購入時に価格の検討をする際にも重要な判断材料になっていたように思います。

オフィスデザインについて

開放感を感じるリフレッシュスペース

——当初、めざされたオフィス像をおしえてください

いくつかのキーワードがありました。例えば、

 ・社員が「ワクワク」出来る空間
 ・営業部門の時間をロスしない
 ・採用面で、若い層に訴求できる
 ・華美過ぎないが魅力的、上品さ
 ・つつましさ

こういったものです。「オフィスは売上を生まない」とお考えの営業会社は少なくないと思いますが、私たちは少し違います。あらゆる面で妥協せずにこだわっていきました。平面図だけで50案以上をご提示いただいたのでは。とにかく話し合いを重ねて実現しました。

新オフィスの壁面に描かれたラネット社のビジョン

——今回の本社オフィス移転プロジェクトには、私たちFRSがPM(プロジェクトマネジメント)として伴走させていただきました。率直なご感想をお聴かせください

これほど大規模なオフィス移転は初めての経験でしたから、分からないことばかりでした。皆さんにこちら側に立って一緒に推進していただいて、本当に感謝しています。

——ありがとうございます。デザイン・施工についてはコンペを実施されました。フロンティアコンサルティング社を選ばれたのはなぜでしょうか

私たちの希望との合致率がもっとも高かったからです。私たちは今回の移転においては「過不足がない」ことを大切にしていましたが、その過不足が各部署によって要件が違ってきます。そういった事情を酌んで具現化いただいたのがフロンティアコンサルティングさんでした。

——デザイン面でチャレンジしたことは

旧オフィスでは、あまり色を多く使わないシンプルな環境でしたが、今回は派手にならない程度に色を入れたのは大きなチャレンジでした。結果、気分に高揚感を持たせてくれますし、採用時に視覚的に訴求できる点で良かったと思っています。

色彩を多めに取り入れたイベントスペース

来訪者のくつろぎを考慮しデザインされた面談室

——オフィスづくりの過程で、トラブルや、想定外の出来事はありましたか

大小あったかもしれませんが、実現できなかったことは思い付きません。

強いてあげると、終盤に音漏れ問題が残りました。旧オフィスでは隣接する会議室同士の音漏れが課題となっていたので、今回の移転に際して社内から要望されていましたが、スライディングウォールを導入した会議室での音漏れが予想よりも気になりました。

スライディングウォールを採用した会議室

一度は『このままではオフィスを予定どおりオープンできません』と貴社にもお伝えし、改善のお願いをしましたが、速やかに対応していただいたことで、無事に解消することができて安心しています。

——今後のオフィスの課題は何かありますか

現時点の課題は解決できていると思っています。いまあるリソースで、これからの変化にどのように対応できるのかが今後の課題になってくると思います。皆さんの力をお借りしながら解決して乗り越えていきたいと思っています

——ありがとうございました。これからもどうぞよろしくお願いいたします

フロンティアコンサルティング社より
当社のブランドスローガン「Creating a new work stage.」のもと、私たちは働く人々と働く場所の未来をつくります。このビジョンのもと、当社がラネット様・FRS様と共に取り組ませて頂いた本プロジェクトは、メンバーの皆さまはもちろんのこと、多くの協力会社様の協力とサポートがあったからこそ、ラネット様の理想とする未来の姿を形にすることができました。
そして、16年ぶりの大規模なオフィス刷新という歴史的なプロジェクトに参画させていただけたことを、大変光栄に思います。そして、このプロジェクトを成功に導くために尽力してくださったすべてのプロジェクトメンバーの皆さまに、心から御礼を申し上げたいと思います。
FRS担当者の声
プロジェクトマネジメントの最大の存在価値は、「お客様のなかにある大切なものを紐解いて言語化し、デザイン・施工を担う側に丁寧にバトンを渡すこと」だと理解しています。本プロジェクトでも、要件定義作成のためのヒアリングには多くの時間をいただきました。
ラネット様は「世の中にワクワクを生み出す」ことを掲げておられます。1年以上に渡るプロジェクトのなかで迷ったときには必ず、基本に立ち返って「どちらがワクワクするのか」を判断基準にし続けました。

編集後記

大河内ビルのオーナー様からのご移転祝い

今回インタビューにお邪魔したオフィスのエントランスは、たくさんのご移転祝いのお花や観葉植物が溢れていました。その中には、なんと16年間入居されていた大河内ビルからのお祝いが。退去するテナントに対しお花を出すオーナー様がおられることに、とても驚きました。
オーナー様は、ビル内におられたので、16年間で会社や従業員の皆様が成長されていく姿に目を細めていたといいます。事業が拡大しさらに羽ばたいていく姿も前向きに受け止めておられたのだろうと推察いたします。
今回のご移転に際してラネット様の代表者様のもっともご心配されていたのは、一斉に退去することで多くのフロアが空室状態になってしまうことだったとか。最終日には、ご本人自らが贈りものを選ばれ、オーナー様にお届けされたそうです。
このエピソードからも、ラネット様が掲げられるワークスタイルの5原則にある「感謝」の心が会社内に浸透し、相手方にも確実にそれが伝わっていることが分かりました。

壁面のワークスタイルの5原則

ラネット様は、「若い従業員の若い力が会社の成長スピードを速める」とのお考えのもと、見込みがあれば1年未満でも店長に登用することもあるとか。仲間と一緒に楽しく結果を出し、チームプレーで課題を乗り越えていこうという気概をもったかた、ラネット様の門をノックしてみてはいかがでしょうか。