2022年2月現在、ウェブブースは20社以上のメーカーからのリリースが確認できますが、スペックや機能、価格も様々。一体どのウェブブースを選んだらいいのか?というお悩みは日々当社にも寄せられています。オンラインMTG用途で利用されることが多いため、主に遮音性が求められますが、それ以外の軽視できないポイントも多数。
ここでは、4つのポイントから選定基準を整理していきます。
① ウェブブースの使われ方を想定する
最初に、ウェブブースの導入後、どのように利用されるのかを想定しておくことが非常に重要です。下記の中から、貴社の業務において可能性のある項目をチェックしてから検討することをおすすめします。
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Web会議で使用する
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電話等の通話で使用する
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短時間の集中業務で使用する
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長時間(約3時間以上)使用する
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プロジェクトルームとして使用する
利用者の業務範囲を想定し、それらの優先順位を付けておくことで、遮音性・居住性・機能・コストを比較し選択肢を絞っていくことが可能です。また、導入後のスムーズな運用、そして価値の最大化が見込めます。
② 設置環境を調査する
床荷重
ウェブブースには、300キロを超えるものも。床に敷設されたOAフロアには、あらかじめ「耐荷重」が設定されていて、設置不可能なケースや、荷重を分散させるための底板などを用意する場合があります。必ず確認するようにしましょう。
天井高
スプリンクラーがある場合、スプリンクラーヘッドの周囲には、水平方向30cm、垂直方向45cmのスペースを空けるようにします。また、ウェブブースの設置作業ができるように、製品と天井との距離を一定以上開ける必要もあります。製品によって設置可能な最低天井高が異なりますので、事前に天井高寸法を確認しておくとよいでしょう。
目視確認
ウェブブースの外から内、内から外、双方向の視認性を確保することが求められます。火災など非常時であることを目視で確認できることが重要なポイントです。ウェブブースの設置場所を検討する際は注意しましょう。
非常警報設備
ウェブブース内では、非常警報装置のスピーカーからの警報音を聞き取れるようにすることが重要です。消防法では、ブース内で外部からの音が一定以上の音圧で聞こえる必要があるとしています。場合によっては設備の増設や移設を求められるケースも考えられますので、既存の警報設備を考慮しながらブースの設置位置を検討していきましょう。
③ 遮音性・吸音効果を把握する
ウェブブースにおいて、最も求められる機能である遮音性・吸音効果は、メーカーによって採用している方法や素材が異なるため、各メーカーでその体感値に違いがあります。
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ブース外の音を遮断する性能(外→内)
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ブース内の音が外に漏れない性能(内→外)
これらは混同しがちですが、別々の要素。想定する使われ方を踏まえて、どの程度の効果であれば要件を満たすのかを慎重に検討する必要があります。また、「設置環境を調査する」の項目でご紹介した通り、消防法が絡んでいるため、完全な防音は難しいのも事実です。とはいっても、出来るだけ遮音したいというのも本音かと思いますので、まずは販売店に連絡をし各メーカーのショールームに実際に足を運んで、体感してみることをおすすめします。
④ 正しくコスト比較する
20種類以上が販売されているウェブブースは、メーカー、スペック、オプション付加など、それらが価格を大きく変動させます。導入にあたっては、①~③の要点を整理し、選択可能な中からご予算と相談して決定しましょう。
また、あるメーカーで標準装備の機能が、他のメーカーではオプションとなっているケースも珍しくはありません。素材や機能、搬入費用までも確認し、比較してみるのが最良です。
以上が、ウェブブースを選定する際の4つのポイントですが、実際に導入する際にぜひ押さえておきたいことが「消防法」です。
個室には本来、火災や、火災発生時の延焼防止のために煙感知器やスプリンクラーヘッド、非常放送設備などが必要です。しかし、ウェブブースは、それらの免除条件があります。具体的な例を挙げると、
などです。現時点では多くのメーカーがこれらの法規に沿った製品を展開していますが、ウェブブース設置の際は既存ビルの防災設備やスプリンクラーなどをふまえた設置計画が求められますので、導入検討時には有識者へ事前確認をしてください。販売会社へ相談をしながら進めるとよいでしょう。