ここまで、オフィスビル木造・木質化の背景やメリットなどを整理してきましたが、実際に建築が進んでいるビルや稼働しているプロジェクトがないと、いまひとつ現実味が湧かないですよね。
ということで、いくつかのプロジェクトをまとめてご紹介していきます!
国内最大最高層の木造賃貸オフィスビル計画(三井不動産×竹中工務店)
三井不動産プレスリリースより
「終わらない森創り」をテーマに森林を保有し持続可能な森林経営を実施する三井不動産グループが、保有森林の木材を使用し持続可能な社会の実現に貢献するべく、中央区日本橋本町に、2023 年着工・2025 年竣工を目指して計画しています。木造ならではのぬくもりとやすらぎを与え、日本における都心での街づくりへの新たな価値創造や景観を生み出す魅力あふれる場となることが期待されます。
HULIC &New GINZA 8(ヒューリック×竹中工務店)
ヒューリックWebサイトより
日本初の耐火木造12階建てビルとして注目を集めている2021年10月に竣工した商業ビル。2018年以降、環境問題への貢献と、オフィスワーカーのウェルネス促進の考えから、木造建築への取り組みを強化したヒューリック社。「都心で木材を使うことには意義がある」との考えからこの地に建設を決定されたとか。ファサード(外観)デザインは隈研吾建築都市設計事務所が担当。コンセプトは「銀座に森を出現させる」というもの。壮大です。
木造ハイブリット構造の賃貸オフィスビル計画(第一生命×清水建設)
清水建設プレスリリースより
国産森林資源の循環利用と地域創生・活性化への貢献、施設利用者のQOL(※1)向上、健康経営への寄与を目的として清水建設の手により建設予定。主要な構造材に清水建設の独自技術を採用予定だとか。同規模の鉄骨造の賃貸オフィスビルと比べて、建設時のCO₂排出量を20%以上削減できる見込だそう。中央区京橋に計画されています。
(仮称)道玄坂一丁目計画(東急不動産×前田建設工業)
東急不動産プレスリリースより
2022年竣工が予定されている、鉄骨造&木造のハイブリッド構造で建築予定の13階建オフィスビル。外部からよく目立つファサード2面には、格子状に木・鉄骨のハイブリッド耐震システムを国内で初めて採用しているそうです。上階の柱梁には、木質ハイブリッド集成材を使用することで、建物内外から木材の温もりを感じられるように設計されています。
「OY Project」(大林組)
大林組OY Project公式Webサイトより
2022年3月の完成を目指して絶賛建設中の「OYプロジェクト」は、神奈川県横浜市に建設中の大林組の次世代型研修施設で、木造の柱・梁として世界初の3時間耐火を取得した「オメガウッド(耐火)」を用いた地上11階建ての建造物。木を活かした自然を取り込むデザインが特徴的で、コミュニケーションを誘発し、イノベーションの促進や企業文化の醸成を図り、これからの知を育む大林組の新たな拠点となります。
H¹O 外苑前(野村不動産×熊谷組×住友林業)
野村不動産プレスリリースより
同社が展開する従業員10名未満の小規模向けオフィスシリーズ「H¹O(エイチワンオー)」。H¹O外苑前は、2022年8月竣工予定の、地上7階建ての木造ハイブリッド構造を採用したオフィスビル。多摩産の木材を使用した循環型社会への貢献、そしてリラクゼーション効果や知的生産性の向上等、そこで働く人々の「個」 のパフォーマンスを最大化し、快適で心地よい空間を提供したいと考えているそう。