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コラム : 第68回

おもてなしの結晶ピクトグラム

東京2020大会が幕を閉じました。開催を巡る賛否があったものの、終わってみれば今回のオリンピックは、歴代最多のメダル獲得、兄妹の金メダル獲得、パラリンピックでは歴代最年長の金メダル獲得など数々の感動的なシーンが生まれた大会でした。競技の外でも、ボランティアスタッフによる機転が外国選手を救ったニュースは、日本人として誇らしいものがありましたね。

コロナ禍によるネガティブなニュースが飛び交う世界に、感動や、明るいニュースをたくさん届けてくれました。アスリートの方々、大会関係者の方々には、心からの謝意を表したいと思います。

さて、東京2020大会は、開会式も大きな話題となりました。ドローンによる見事なクリエイティブや、選手入場にゲーム音楽を採用したこと、そして、競技を紹介するピクトグラムのパフォーマンスは素晴らしかったですね!

画像:東京2020特設サイトより(NHK)

今回のコラムは、このピクトグラムをテーマにお送りしたいと思います!

ピクトグラムとは

ピクトグラムの定義

EXPERIENCE JAPAN PICTOGRAMS(日本デザインセンター)

ピクトグラム(pictogram)は、何らかの情報や注意を示すために表示される視覚記号のひとつで、案内標識をイラストで表したもの。文字を使わない情報伝達を目的とした、単純化された絵文字のことを指します。デザインの基本は、

単純化されたビジュアルを2色で記号化して表現する

こととされています。駅、空港などの公共施設などで使用され、文字や文章ではなく視覚的な図で表現することで、情報を直感的に伝えようとするもの。

アイコンとも似ていますが、大きく異なるのは、ピクトグラムは「デザインの単純化」がなされている点。情報伝達のための必要最低限のビジュアルから成っています。

ピクトグラムの歴史

写真で振り返る1964東京オリンピック 半世紀で日本はこんなに変わった!?(NHK)

現在のようなピクトグラムが世界中に広まったきっかけは、なんと…

1964年の東京オリンピック

なのです。オリンピック委員会により東京開催が決定したのは1959年。初の五輪招致成功に日本中が沸きました。

一方で、大会運営者は、あることに頭を悩ませます。世界最大級のイベントであるオリンピックには、言うまでもなく世界中から膨大な来訪者があります(※今大会は例外ですが)。その来訪者をスムーズに目的地に誘導するのは運営サイドの至上命題のひとつ。しかし、当時の日本の公共施設は、案内できる外国語力も仕組みもまるで存在しませんでした…。

そこで採用されたのが、ピクトグラムだったというわけです。当時のクリエイティブチームは、「誰が見ても情報が伝わるビジュアルを作ろう!」と志し、当時の最高のデザインチームが招へいされ、各公共施設と競技を含め、39種のピクトグラムが完成しました。この分かり易くデザインされたピクトグラムは、世界中から大きな注目を集めました(以降のオリンピックでは開催国がピクトグラムをデザインすることが慣例となったそう)。

また、当時のクリエイティブチームは、制作したピクトグラムを「社会に還元するべきだ」と考え、誰一人として著作権を主張しなかったと言います。そのこともピクトグラム普及の大きな後押しになったとか。

ちなみに、このときにデザインされた中で、世界中でもっとも採用されたピクトグラムは「トイレ」のサイン。

一般的に男性が青、女性が赤で表示されるあのピクトグラムは、デザイナーの方々の苦労の末に、日本で誕生しました。ちなみに、このデザインが日本で一般的になったきっかけは、1970年の大阪万博でした。

また、ピクトグラムと言えば「非常口」のデザインはあまりにも有名。緑色は、炎の中ではもっとも映える色。「ここが非常口です」という情報が直感的に分かる秀逸なデザインのため、世界中でピクトグラムのお手本と言われます。

非常口のピクトグラム

誕生のきっかけは、1973年の「熊本大洋デパート火災」。死者104人、負傷者124人におよぶ死傷者を出した大惨事でした。この出来事によって、建築基準法、消防法が改正されますが、その過程で現在の緑×白のピクトグラムが誕生しました。

大きなイベントや災害によって、ピクトグラムは大きな進化を遂げてきたのですね。

オフィス×ピクトグラム

そんなピクトグラムは、オフィス内の秩序を保つためにも一役買ってくれます。

FRSの会議室名称を伝える、ピクトグラムを活用したボード

特に、最近のフリーアドレスではオフィスの中でも目的に応じて場所や家具を選んで仕事をするため、予約方法や飲食の可否など、運用ルールの徹底が悩みの種であることも多いと聞きます。

そこでFRSでは、お客様への提案のみならず自社オフィスでも運用ルールの周知や社内風土の醸成に、ピクトグラムを活用しています。

  • オフィス空間と調和してくれる(デザインの邪魔をしない)
  • 直感的に伝わりやすい
  • ストレスなくルールを浸透させやすい

そんな効果が期待できるピクトグラム。フリー席や多目的スペースの予約用、クリアデスク徹底の啓蒙、飲食ルールやゴミの分別など、活用方法は無限大。推奨ルールとピクトグラムをセットで配置しておくと、スムーズなルールの啓蒙が期待できます。FRS社内の活用方法をご紹介いたします。

オフィスでのピクトグラム活用例

Sample1 ソロブース、セミフリー席

左のサインは、デスクに置かれる予約席であることを示すプレートに使用され、Web会議での利用を優先するルールにピクトグラムが活用されています。右のサインは、セミフリー席に設置された運用ルールが明記されたプレートです。

それぞれの実際の掲示方法は以下の写真のとおり。デザインの邪魔をせず、背景に溶け込んでいる様子をご参照ください。

ソロワークスペースに設置されたサイン①

ソロワークスペースに設置されたサイン②

セミフリースペースのデスクに置かれたプレート

Sample2 ファミレス席、集中カウンター

ファミレス席のデスクに置かれたプレート

Sample3 多目的広場

デスク上でおかれたプレートには、目安となる利用時間のルールとともに、基本レイアウトを表示しておくことで、常に整然とした環境を保つことに成功しています。

多目的スペースに入り口に設置されたプレート

おわりに

今回はピクトグラムを採り上げました。

欧州で生まれ、日本のクリエイターのアイデアや技術、思いやりによって広く世界に浸透したピクトグラム。直感的なデザインによって情報伝達していく考え方は、オフィスにも活かせるシーンがたくさんあります。

FRSでは、お客様の企業文化、社内外に発信したいメッセージを踏まえたオフィス創りを、物件探しから運用面に至るまでフォローさせていただきます。

  • これからオフィスを創っていきたい
  • せっかく創ったオフィスの運用がいまひとつだ

等々、オフィスに関するお悩み・ご相談はお気軽にお声がけください。

最後まで読んでいただき有難うございました!

(著:FRS広報チーム)

参考資料

・写真で振り返る1964東京オリンピック 半世紀で日本はこんなに変わった!?(NHK)

・EXPERIENCE JAPAN PICTOGRAMS(日本デザインセンター)