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コラム : 第63回

「働く」に、もっと「健康」を

コロナ禍による不要不急の外出自粛、緊急事態宣言、まん延防止等重点措置…などなど、甚大な影響を受けて変化を余儀なくされた「働き方」問題。その代表格であるテレワークは、充分に準備する猶予もなく開始されたことで、あちこちで諸問題が勃発したと聞いています。

しかし、まる一年以上が経過した現在は、新しい働き方に対応するための設備・環境や、客観的なデータも公開揃いつつあり整備されてきたことで、そのメリットを享受しているかたも多いのではないでしょうか。

そんななか、気になる難解なテーマが。それは、

健康面のケア

です。特にテレワークでは、

  • オンとオフの切り替えが難しい
  • 孤独感を感じることがある

そんな声がよく聞かれます。2010年代から、「健康経営」(※従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践すること)という言葉が、経済産業省の旗振りもあって注目され久しいですが、社員の心と体の健康は、企業が発展し続けるための基盤。

今回のコラムでは、これからの働き方における社員の健康管理や対処法について、皆さんと一緒に整理していきたいと思います。是非最後までお付き合いください!

テレワークで気を付けたい、社員の健康問題

テレワークの弊害集

「オンとオフの境目があいまいになりやすい」問題
パジャマ姿でも仕事が開始できるテレワーク。オンとオフの境目があいまいになりやすいのも当然。起床時間がついつい遅くなったり、ダラダラと仕事してしまったり。食事や休憩時間も、不規則になりがちです…。ついつい間食が増え「コロナ太り」などという単語も生まれました。

「運動不足と光合成不足」問題
そもそも運動する習慣のないかたは、通勤がなくなったことで運動不足になりがち…。さらに、通勤時の太陽光を浴びることで、「セロトニン」という、「やる気」や「集中力」を高める神経伝達物質が生成されていました。別名「幸せホルモン」。不足すると、暴力的になったり、うつ症状の原因にもなるので要注意!また、日光浴で作られる「ビタミンD」も、不足すると免疫力の低下や、骨と筋肉の衰えを招いてしまいます…。

「コミュニケーション不足によるストレス」問題
人間は、狩猟時代からずっと「社会的な生き物」。集団を形成して生活することは、人間の基本的な傾向であり、本能的特徴とも考えられています。そんな特徴をもつ人間が、ひとりで黙々と仕事をするのだから、ストレスフルなのは当然かもしれませんね。また、コミュニケーション不足によって生じる認識の相違・食い違いなども、ストレスのもとになります。

これら諸問題を並べてみると、社員の健康状態が改めて心配になってはきませんか。

これらの問題を解消する鍵は、

自律神経

です。心と体の健康に欠かせない「自律神経」。その働きが乱れると、心身によくない影響が現れます。

心と体の健康に欠かせない「自律神経」

自律神経には、以下の2種類があります。

体を戦闘状態にする「交感神経」
体を回復させる「副交感神経」

この2つをバランスよく働かせることが、心と体の健康のためには不可欠!テレワークにおいて特に、交感神経と副交感神経のスイッチを「意識して入れ替える」ことが大切。

交感神経のスイッチはストレス、副交感神経のスイッチはリラックス

です。バランスよく働かせるためには、

  • 規則正しい生活
  • 適度な運動
  • バランスの取れた食事
  • 休養

これらが基本。並べてみると、テレワークで乱れがちになるものばかりですね…。

社員に健康を自己管理してもらうコツ

脳の仕組みの理解が、効率のよい健康管理の第一歩

人間の脳は、急にやってくる大きな変化が大の苦手だとか。新しい習慣を身に着けようと始めたことが三日坊主で終わりがちなのは、脳が嫌がっているから。テレワークを機に、運動する習慣のなかった人が始めようと思っても、脳はその変化を嫌います。

そのため、全社員に一斉に「今日から皆さん運動してください!」と提唱することは、その習慣がない人にとっては非常にハードルが高いものとなるかもしれません。

社員の健康管理を会社が推奨したい場合、効率の良い方法のひとつは、

  • 簡単にできるリラックス方法をいくつか共有する
  • その中から自分に適した方法を選択してもらう

これが長続きするコツかもしれません。「運動」はひとつの手段であって、目的はリラックスすること。それを見失わないように情報発信していくと良さそうです。いちばんお手軽にできそうな方法が「日光浴」。1日15分程度、日の光を浴びるだけでも効果があるそうですよ!

ちなみに、社員にとって「過渡に管理されている」「監視されている」と感じるマネジメントはリラックスの大敵。コロナ禍で、

  • 成果マネジメントにシフトして成功している
  • 活動と成果を報告してもらう中で、無駄な業務が見えてきた

などの肯定的な声も経営層から聞かれますが、成果偏重はその重圧による負荷も高いもの。コミュニケーションを上手に取りながら、社員の変化には早めに気付けるようにしたいものですね。

テレワーク上手な人の過ごし方を覗いてみた

テレワークと上手に付き合っている人たちは、どんな風に過ごしているのでしょうか。インタビューしてみました。

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AM11時くらいに宅配のランチを選んでおきます。昼休みにドラマを見てリラックスし、午後の勤務を開始します。その合間、休憩がてら洗濯物をたたんだり、掃除機をかけたり。家事で息抜きできるし、仕事が終わってから家事に追われないようになりました。会社のチャットで同世代の社員と雑談することもしばしば。
(メーカー人事職 女性)

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仕事の合間に小学生の稲作活動のお手伝いをしています。地域の方々と交流しながら、太陽の下で土に触れる時間は、いい気分転換。早朝に仕事を回し、午前中に数時間抜けて参加しています。ただ、自宅では働く環境が整っていないので、どうしても疲れがち。運動不足で太ってしまいました。外出時には、意識して階段を使っています。
(メーカー開発職 男性)

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時間を区切って働くようにしています。食事や休憩時間もあらかじめ決めておいて、その間はとにかく楽しむ!眠くなったらすぐ仮眠を取りますね。会社に希望があるとすれば、光熱費の補助が欲しいです。
(コンサル職 男性)

皆さん、仕事と日常をうまく組み合わせて上手に息抜きをされていることが分かります。このことは脳の仕組み上、とても理にかなっています。

オフィスが社員の健康のためにできること

テレワークが一般化されつつも、オフィスという場の重要性は再認識されつつあります。以前からオフィスの重要性を評価、出社することを前提にしているグローバルカンパニーが、意外にも、あのGoogle社。

Google社では、「2021年秋以降は、従業員の約60%が週に数日はオフィスに集まり、それ以外の20%は別のオフィスで勤務し、残り20%は在宅勤務になる」(2021/05/07 CNET JAPAN)と報じられています。

オフィスという同じ空間で過ごすことで、円滑なコミュニケーションが生まれ、新たなコラボレーションが実現されたり、イノベーションが起きたり。そういうものを大切にしているというわけですね。

このように、オフィス勤務とテレワークを併用する働き方が多くの企業で定着しつつありますが、そんな多様化の進んだオフィス環境では、健康面に配慮された設備の導入やアイデアが採用されていることもしばしば。

「照明」によって体内時計を整える

画像引用:「調光調色 Tunable LEDZ」遠藤照明

適度なリラックスを醸成するための設備の共通点は、「五感を刺激する」という点。

ヒーリングミュージックによって聴覚を刺激したり、緑視率(=人の視界に占める緑の割合を測る指標)を高め視覚を刺激したり、アロマディフューザーで嗅覚を刺激したり…などなど、五感を刺激することでワークプレイスにリラックス効果をもたそうとするプロダクトが各社からリリースされています。

そんな中、今回ご紹介するのはサーカディアンリズムという体内時計を整えてくれる照明について。

人が生来もっている身体リズムを「体内時計」といい、サーカディアンリズムは、24時間周期の体内時計を指します。人間は元来、太陽の光によって睡眠や覚醒、食事などのリズムを整えてきました。しかし現代では、夜間でも蛍光灯やブルーライトの刺激を浴びるため、このサーカディアンリズムが調整しにくくなり、さまざまな身体の異変が生じているのだとか。

サーガンディアンリズムを整えてくれる照明は、オフィス内にいても、人にとって適している太陽光の光の色、そしてその変化を人工的に調光・調色して再現することで、体内時計を適切なリズムに調節してあげることができます。

「モニターアーム」と「セカンドディスプレイ」によって姿勢を整える

画像引用:「モニターアーム」Herman Miller Store

働く場所を自由に選択できるようになりつつある昨今では、オフィス内でもフリーアドレスが一般的。会社で貸与するPCは、いわゆるモバイルPCと呼ばれる比較的軽量・コンパクトなサイズが主流です。そんなPCの画面を長時間見つめていると、どうしても目線が下がって背中が丸くなりがち。姿勢の悪さは、健康の大敵です。

そんな課題に対するソリューション、モニターアーム(=モニターの高さや角度を自由に変えることができるパソコン周辺機器)とセカンドディスプレイを各席に常設しておくこと。

利用者は、モバイルPCのキーボードは使用しつつも、自分が正しい姿勢を保つことができる位置にディスプレイを調節してから業務を行なうことで、目線を下げずにセカンドディスプレイを見ながら業務ができます。

ぜひご活用いただきたいアイテムのひとつです。

「スタンディング・デスク」によって脳と身体を整える

画像引用:「Swift(スイフト)」オカムラ

オフィスワークは、どうしても座り姿勢が基本ですが、長時間同じ姿勢で座っていることは健康の大敵。

そんな課題解決には、オフィスの一部に数台のスタンディング・デスクを導入するのがオススメ。デスクワークに定期的に立ち姿勢を取り入れることで、健康面で良い影響が期待できるほか、

  • 集中力が高まる
  • 眠気防止
  • 歩いている人との目線が合いやすいことでコミュニケーション活性化効果
  • 視界を変えることで新しいアイデアが浮かびやすい

などの副次的な効果ももたらされるかもしれません。アメリカのテキサスA&M大学の研究チームが行った研究成果では、スタンディング・デスクが脳の機能向上に寄与したとの発表も。

今回は、ワークプレイスにおける「健康管理」についてレポートしてきました。内容に関するご質問や、気になるアイテムがございましたら、ご遠慮なくお問い合わせください。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

(著:FRS広報チーム)

参考資料

・「健康経営の推進」経済産業省

・「テレワークとなった働く人」産業医科大学

・MSDマニュアル「自律神経系の概要」

・「免疫機能を維持するために必要なビタミンDを摂取する方法【日光浴・食事】」NHK

・「セロトニンの増加が心身に及ぼす効果」医療法人社団平成医会

・「体内時計」厚生労働省e-ヘルスネット

・「悪習慣は続くのに良い習慣が続かない理由は「脳の仕組み」にあった!」ダイヤモンドオンライン

・「グーグル、従業員の20%に在宅勤務を認める方針」CNET JAPAN

・「調光調色 Tunable LEDZ」遠藤照明

・「モニターアーム」Herman Miller Store

・「Swift(スイフト)」オカムラ