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コラム : 第62回

温故知新シリーズvol.2「神田駅界隈探訪」

千代田区の魅力を発信していく企画「温故知新シリーズ」。第二回は、古き良き街並みを残しつつ、近代的な再開発が進む、レトロモダンな神田駅周辺エリアの魅力をお伝えしていきます。

神田駅周辺エリアは、日本の金融・経済の中心地である丸の内・大手町エリアに隣接。高級感のある東京駅西側エリアに対し、少し肩の力を抜いて歩けるオフィス街。たった0.7 ㎢のエリア内には、有形文化財や歴史的建造物が点在。東京のど真ん中なのに、

コンビニの数よりも、稲荷神社の方が多い!?

そんな極めてレアな街。八王子や横浜方面などのベッドタウンからも通いやすく、都心主要ターミナル駅へのアクセスも抜群!にも関わらず、そのお家賃相場には値ごろ感も。

今回は、そんな神田駅エリアの魅力を発信していきたいと思います。

神田駅周辺エリアってどんな場所?

神田駅周辺エリアの概要

神田駅周辺エリアは、北は神田川、南は日本橋川に挟まれた低中層ビルが密集するオフィス街。駅周辺には居酒屋や飲食店が所狭しと並びます。ランチ難民とは、まるで無縁の街。アフター5には、周辺エリアからもビジネスパーソンが集まり、ネクタイのヒモをゆるめてくつろげる、企業人のオアシス。酒席好きにはたまらないエリアです(コロナ禍が終息するまでは我慢、我慢ですが)。

また、神田駅周辺エリアには、歴史的建造物が街のいたるところに点在。千代田区内の「国登録有形文化財」全8カ所のうち、3カ所は神田駅周辺エリアにあります。そんな歴史の香り漂う街、神田駅周辺エリアのルーツは、江戸時代に遡ります。

江戸幕府初代将軍の徳川家康公は、江戸城築城のためにさまざまな職人を江戸に移住させました。その職人たちは、神田駅周辺エリアの城下町に住居を構えました。鍛冶町、紺屋町といった町名にも、職人の町としての名残が見られます。

さらに江戸時代中期になると、商人も集まるようになり、青物市場や古着市場などが栄えたそう。あの伊勢丹や松屋銀座も、実は神田が創業の地だったとか。現在はオフィス街の趣が強いですが、歴史的建造物や稲荷神社とともに、当時の記憶が継承されているというわけです。

次項では、神田駅エリアの歴史を生かした二つの再開発について、レポートしていきたいと思います。

<拓>神田駅周辺エリアの「再開発」事情

KANDA SQUARE(カンダスクエア)(旧東京電機大学神田キャンパス)

KANDASQUARE公式サイトより

カンダスクエアは、東京電機大学神田キャンパスと神田警察署の跡地に建設された、複合型オフィスビル。

東京電機大学は、明治40年にこの地で創立。当時、神田駅エリアには多くの学校が集まり、カンダスクエアのある錦町だけでも、東京大学、学習院大学、法政大学、中央大学といった有名大学が勢ぞろいしていたそう。まさに、日本の近代教育の礎を築いた場所のひとつだったわけですね。

そんなアカデミックな場所で、2020年9月に全面開業したばかりのカンダスクエア。外観は、錦町という地名から着想を得た「錦織」がテーマ。縦と横に織り紡がれるように配置された各階の庇(ひさし)が、実用的な日射遮蔽として機能しながら、時間とともに変化する外観の美しさを演出しています。

構造は、地下1階・地上21階建て。1~3階が商業ゾーン・ホール・貸会議室で、5階~21階がオフィスフロア。耐震性能にもっとも揺れを受けにくい「中間免震構造」を採用しているのも大きな安心材料です。周辺広場は、アウトドアワークプレイスとしても活用が可能です。日本を代表するゲーム系企業、任天堂の東京支店が入居したことでも話題になりました。

内神田一丁目計画(旧日立鎌倉橋ビル、コープビル跡地)

画像引用:三菱地所プレスリリースより

内神田一丁目計画は、丸の内の再開発の一環プロジェクト。約 5,100 ㎡の敷地内に、地下3階・地上26階建ての複合型オフィスビルが建設されます(2025年竣工予定)。低層階には、アグリ・フード分野の産業支援施設が整備され、その分野の先進的企業の集積と企業間連携が推進されます。

敷地内を流れる日本橋川には、かつて鎌倉河岸と呼ばれた荷上場があり、江戸の物流拠点として栄えた歴史があります。その河岸を復元すべく、防災船着場が整備され、災害時には人・物資・情報の連携を図る丸の内エリアの防災拠点として、平常時には観光客用の舟運サービス拠点として活用される予定。

また、大手町~丸の内~有楽町エリアを南北に貫く「仲通り」が神田まで延伸、大手町エリアからの歩行者軸が強化されます。

2021年6月1日撮影の建築予定地

これらの他、神田駅西口や美土代町等でも再開発が計画されています。神田駅周辺の歴史にどんな表情が加わるのか、目が離せません。

次項では、神田駅エリアの「食」事情についてご紹介していきたいと思います。

<食> 神田駅周辺エリアの「食」事情

神田駅周辺エリアは、「食」に関するスポットに事欠きません。ここでは、時代小説の第一人者と言われる昭和の文豪、池波正太郎氏が愛したとされる、老舗2店をご紹介します。

両店ともに、「東京都選定歴史的建造物」「千代田区景観まちづくり重要物件」に指定されており、その風格ある店構えは、古き良き時代にタイムスリップしたような感覚が味わえます。

文豪の愛した老舗① 神田まつや(神田駅徒歩4分、小川町駅より徒歩2分)

蕎麦の老舗「神田まつや」は、1884(明治 17) 年創業。美食家として名高い池波正太郎氏が下駄履きで通ったという蕎麦の名店です。「出桁造り(だしげたづくり)」と呼ばれる軒が前面に張り出した豪快な屋根が外観の大きな特徴。また、その蕎麦も明治創業以来、伝統の江戸の味を守り続けているそうです。

初めて訪問する際は、まずは定番「もりそば」や「かけそば」で、伝統の江戸の味を堪能してみてはいかがでしょうか。ぜひ目を閉じて、江戸や明治に思いを馳せながら、召し上がってみてください。

文豪の愛した老舗② 竹むら(神田駅徒歩4分、小川町駅徒歩4分)

甘味処「竹むら」は、1930(昭和5年)年創業。当時、神田には本格的な汁粉屋がなく、「汁粉屋らしい汁粉屋作り」を掲げて開業されたそうです。池波正太郎氏も熱心に通ったとか。

入母屋(いりもや)造り(※)の木造の3階建てで、2階の欄干に彫られた竹と梅模様や、軒下の木製の提灯など、創建当時の原型をよく留める趣深い家屋になっています。過去、映画や小説にも度々登場し人気を博しているほか、大ヒットアニメ「ラブライブ」の舞台にもなったことで、ファンの聖地巡礼では欠かせないスポットになっているそうです。まさに、老若男女を虜にする甘味処。

  • 日本の伝統的な屋根の形状で、城や神社などにも採用される高級感のある建築様式

場所は「神田まつや」さんから徒歩1分。お蕎麦を愉しんだあとに、ゆっくり甘味を味わいながら至福のひと時を味わってみてください。

次項では、神田エリアの散策スポットをご紹介!

<歩> 神田駅周辺エリアの散策スポット

マーチエキュート神田万世橋

マーチエキュート神田万世橋 公式Webサイトより

かつて中央線神田~御茶ノ水間に「万世橋駅」があったことをご存知ですか?

マーチエキュート神田万世橋は、幻の駅と言われる「万世橋駅」の遺構を、その歴史と記憶を活かしながらリノベーションした商業施設。壮麗な赤レンガ造りの連続したアーチ形の高架橋の内部には、通も唸らせる厳選された飲食店やショップが軒を連ねます。

かつてホームがあった高架橋の上に設けられたガラス張りの展望デッキとカフェからは、そのすぐ両脇を中央線が行き交う様子を眺めることができます

稲荷神社

神田駅周辺エリアには、なんと10社近くの稲荷神社が点在します。そんな稲荷神社を巡ってみるのも一興。ここでは、中でも信仰を集めているという3社の稲荷神社をご紹介します。

出世稲荷神社(神田須田町1丁目11−10)

伏見稲荷大社からの分霊と伝承。関東大震災では神壐が被害を免れ、戦災も免れたことから、火伏のほか、商売繁盛、学業成就の利益があるとされています。遠方からの参拝も多いとか。

延寿稲荷神社(神田須田町1丁目1−5)

江戸中期、屋敷神として祀られたとの伝承。以来、地の守り神として残されましたが、昭和の区画整理で一時社殿を失います。しかし、町内で疫病が流行したのを契機に、柳逎神社の延寿稲荷を再度勧誘して再興したそう。

御宿稲荷神社(内神田1丁目6)

徳川家康が、三河国から江戸に移封した際、投宿した邸の庭に「宇迦御魂」の祠(ほこら)がありました。のちに幕府が家康公の足跡を記念に社地として寄進、御宿稲荷の大神として祀られるようになったとか。

どの稲荷神社も決して派手ではなく、裏路地にひっそりと佇み、移り行く街並みと人々の営みを見守っているかのように見えます。

神田祭

京都の「祇園祭」、大阪の「天神祭」と並び、日本三大祭りにも数えられる「神田明神」の祭礼「神田祭」。例年5月中旬に開催され多くの人出で賑わいます。

「神田明神」は、徳川家康公による江戸幕府開府後、大きな戦の度に戦勝の祈祷を命じ、天下統一を果たしてからは特に徳川家の庇護を受けたとか。その影響で「神田祭」も盛大な祭りへと発展していったそうです。「神田明神」の最寄りは御茶ノ水駅ですが、神田駅周辺は、道中でもっとも盛り上がるエリアのひとつ。町内会でも力を入れている一大イベントです。

これらの他にも、神田駅周辺エリアにはたくさんの名所や史跡が点在しています。以下のマップを片手に、ランチ後のお散歩を楽しんでみては?

神田マップ(神田学会Webサイト)

<働> 神田駅周辺エリアはオフィスに向いている?

この章では、神田駅周辺エリアがオフィスを置く立地としてはどうなのか?について、アクセス性と賃料相場の観点からみていきたいと思います。

神田駅周辺エリアは、好アクセス!

神田駅は、JR 3路線、東京メトロ が1路線と、計4路線の主要電鉄が乗り入れています。また、神田駅から徒歩5分圏内には、淡路町駅、小川町駅、岩本町駅と3駅あります。合計でなんと、計6路線が使用可能!

*神田駅:JR中央線快速・山手線・京浜東北線/東京メトロ銀座線
*小川町駅・岩本町駅:東京メトロ新宿線
*淡路町駅:東京メトロ丸の内線

主要ターミナル各駅にも好アクセス。所要時間はこちら!

・東京駅 2分(JR山手線)
・新宿駅 13分(JR中央線快速)
・品川駅 15分(JR山手線)
・池袋駅 23分(JR山手線)
・渋谷駅 25分(東京メトロ銀座線)

しかも、横浜駅まで35分(JR)、八王子駅にも53分(JR)と、ベッドタウンからも直通の好アクセス。本社オフィスとしてもサテライトオフィスとしても、利便性が高いですね!

神田駅周辺エリアは、値ごろ感がある!

2021年5月末日時点の募集賃料データを集計

こちらの表は、千代田区を6つのエリアに分け、各エリアの募集賃料の平均単価を面積別で表したもの。これを参照いただくと、神田駅周辺エリアは、比較的リーズナブルな賃料設定であることがお分かりいただけると思います。

群を抜いて坪単価の高い丸の内周辺から僅かにエリアをずらすと、固定費をぐっと圧縮することができます。もちろん利便性は高いまま!

非常にコストパフォーマンスの良いエリアだと言えそうですね。

まとめ

今回は、神田駅周辺エリアの魅力をお伝えしてきました。

個人的な視点からみた魅力をまとめると…

*歴史の息吹を残しながらの再開発街区の魅力
*文豪も愛した老舗の味など、豊富な食の魅力
*由緒正しき建造物、趣のある稲荷神社のある風景

などなど、神田界隈の懐の深さは他を圧倒しています。また、法人の観点からの魅力はこちら!

*都心ターミナル駅をはじめ、ベッドタウンにも好アクセス
*コストパフォーマンスの良い相場観

今後、再開発が予定されるエリアも複数あり、丸の内・大手町エリアとの回遊性もますます高まりそう。私たちとしても、非常におススメのエリアです。

以上、レトロモダンな神田駅界隈のレポートでした。少しでもその魅力が読者の皆様にお伝えできていたら嬉しいです!最後まで読んでいただきありがとうございました!

(著:FRS広報チーム)

参考資料

・千代田区

・神田学会

・東京電機大学

・KANDA SQUARE

・KANDA SQUAREプレスリリース

・内神田一丁目計画プレスリリース

・千代田区観光協会

・神田祭特設サイト

・マーチエキュート神田万世橋